腰痛の原因は?

タイガーウッズ の腰の手術から4ヶ月半ほど経ちました。しかし手術後に復帰は思うように言っていないですね。早く強いタイガーを見たいものです。腰はゴルファーに取って大切な部位ですので。今回は腰痛になりやすい人、なりにくい人、その差は何か?を背骨の動きに焦点を当てて書きたいと思います。

腰の痛みは様々な原因でおこります。例えば椎間板のヘルニア、背骨の関節の炎症、筋肉や腱など損傷、または肩凝りのように筋肉の硬直など様々です。 腰痛の原因は多々あるにせよ、こうしたケースに共通して言えることは、急な動作で突然起きるということではなく、「長年の負担の蓄積」から問題が相当前から起きているということです。“朝一でスイングしようとしたらグキッときた”“何気なくボールをピックアップしようとしたらグキッときた”といったケースも、実はそれ以前から負担の蓄積があり、ある瞬間身体がダメージの蓄積に絶えられず痛みが引き起こったと考えるべきです。もちろん今年のワールドカップでのネイマール選手の腰椎骨折のように、後ろから 蹴られたなどの 事故から生じる腰痛もあるでしょうが、全体的には稀です。

(図1)Spine (c)ADAMS

では、長年の負担の蓄積とは何でしょうか? 図1を見てもらうとわかるように背骨は首7、胸12、腰5の計の24の骨からなります(正確には骨盤を形成する仙椎なども含みます。)通常は24個の骨/関節がバランスよく動き動作を行っていて、一つ一つの骨/関節にかかる負荷は軽くなっています。例えば24度の角度で背骨を曲げるとしたら各骨/関節は1度ずつ曲がれば良いわけです。しかし、動きが悪い骨/関節があるとその 動きを補うためにそれに隣接する骨/関節が2倍またはそれ以上の働きをしなくてはなりません。そのことその骨/関節に負担がかかってくるのです。図2と図3を比べてください。ヨガで言うCat/Camelで腰を反らした状態です。図2では全体的に滑らかなカーブを見ることが出来ます。一つ一つの骨/関節がバランスよく動いています。しかし図3ではカーブがいびつです。その為、矢印の箇所に過剰な負担がかかっているのが見て取れると思います。

(図2)good curve

この写真の二名のうち、どちらが腰痛になりやすいでしょうか? 前者(図2)は動きを各骨/関節が均等に担い、負担を分散出来るために 腰痛になりづらい身体です。しかし後者(図3)は動きの悪い骨/関節を補う為に、矢印の箇所に負担が集中します。たとえ一回の動作でかかる負荷が2倍でも、その動作を繰り返した場合、その蓄積された負担は数十倍または数百倍となり 、 組織にダメージを与えるのです。それに身体が耐えられなくなった時に腰痛になるのです。

(図3)poor curve

つまり、図3のようにCat/Camelを行ってみて滑らかなカーブが出来ない方は、 たとえ今腰に痛みが無くても、将来腰痛を引き起こす可能性が大いにある腰痛予備軍といえます。ではどうしたら良いでしょうか。動いていない骨/関節を徐々に動かし、滑らかなカーブを作れるような身体にしていけば良いのです。

図4のように膝を曲げた状態で仰向けになってください。その時に動きの悪い関節の下にロール上にしたタオルなどを支点になるように入れます。首を支えながら支点を中心に背骨をそらすように動作を繰り返します。10回ほど行ったら、支点を動かし、ストレッチを繰り返します。こうして動かない関節を徐々に動くようにしていき、最終的には滑らかなカーブが作れるような身体にしていきましょう。腰痛持ちまたは 腰痛予備軍の方の腰への負担が軽減するはずです。

図4
  • 注意:支点はタオルなど柔らかく小さいものから始めてください。あくまでも動かない関節を動かす運動ですので、その箇所だけに行ってください。
  • もし違和感や痛みを伴う場合は専門家に相談してください。