「グリップ」
ゴルフを初めて一番始めに習うのがどのようにゴルフクラブを握るかすなわちグリップではないでしょうか?ゴルフにおいてグリップは基礎中の基礎。そしてグリップは スイングを導いていると行っても過言ではないほど大切なことです。一つにグリップといっても様々な形がありますし、グリップの力加減も一様ではありません。
今回はグリップの形ではなく、どのぐらい圧力で握るか?ということについて話していきたいと思います。
有名なサムスニードの教えにグリップの握りの強さの理想は「小鳥を両手で包み込むぐらいの強さ」と表現しています。多くのインストラクターまたは教本もこのように「軽く握る」または「力を抜いて」と教えていることが多いです。確かに軽く握ると、余計な力が抜け、腕の振りは速くなります。しかし、本当に軽く握るものなのでしょうか? 近年はスイング中の握力が測定出来る機器があり、実際PGAプロがどのぐらいの圧力でクラブを握っているか分かるようになりました。意外にもその測定結果はプロはアマチュアに比べて明らかに強い力で握っていることが分かります。

私は「グリップはしっかり握る!」ものだと考えます。
幾つか理由を説明しましょう。
其の一.スイング中にクラブを遊ばせてはいけない。
プロのスイングをアマチュアのスイングを比べた時大きな違いの一つがスイングに緩みが無く、クラブが無駄な動きしないと言うことがあげられます。連続写真などで見ればよくわかりますがトップでクラブに遊びがあまりありません。図1と図2の写真を比べてみれば分かると思いますが、同じ肩の回転、腕の使い方でもグリップを緩ませる、緩ませないではバックスイングでのクラブの位置がかなり違うことが分かると思います。こうした動きがクラブに遊びを与えてしまい、「緩んでいる」スイングを作ってしまいます。稀にジョンデイリーのようにオーバースイングの選手がいますが、彼は手首が非常に柔らかく、決して緩んでいる訳ではありませんのでご注意を。

其の二. プロはアスリート。
彼らの握力は相当強いものです。例えばゴルフクラブを緩み無く振るために必要なグリッププレッシャーが20kgだったとしましょう。プロの中には握力測定で100kgを越える人が多くいます。その人にしてみれば20%の握力で十分クラブがコントロール出来ます。「軽く握っている」という感覚になるのではないでしょうか? しかし、握力測定で30kgしか無かったらどうでしょう。その人の感覚ではしっかり握っていないとクラブが遊んでしまいます。ですから「緩く握っている」というプロでも実際測定してみると結構なグリップ圧で握っているという矛盾が生じます。
其の三.クラブの進化。
サムスニードの時代のクラブは今のクラブと比べ比べ物にならないぐらい重いものです。重いクラブは軌道は安定しますがスピードが出ません。ですから昔のスイングは手首のスナップを利かせスピードを得ようとするものとなっています。そのためにはグリップをある程度軽く握る必要があったというのも理解出来ます。しかし、クラブは進歩しました。軽量、そして長尺化したクラブに対してゴルフスイングも進化してきました。現在は出来るだけ腕や手首の動きを抑え、いわゆるボディーターンで打つスイングが主流になっています。このボディーターンスイングでグリップがゆるゆるだとクラブが遊び過ぎてしまいます。その結果タイミングがずれたり、ボールが散らばったりと多くの問題が生じます。クラブが軽く、長くなればなるほどしっかりと握りクラブをコントロールしてやることが大切です。
しっかり握るということはクラブの遊びを無くし、クラブをコントロールするということです。フルショットはいいけどハーフショットをしようとするとミスになるという人はクラブまたは身体のどこかに緩みがある証拠です。また、「しっかり握る」と腕を硬直させることは全く違うことですので気をつけましょう。身体がガチガチになりスムーズなスイングの妨げになります。
最後にグリップのサイズ(太さ)があなたに合っているかどうかも大切です。グリップも多種多様でレディース用の細いものから野球のバットの様に太いものと色々です。グリップサイズ一つでスイングも大きく変わってきます。ゴルフ専門店で色々試し、自分が最もしっかり握れるサイズに統一することもゴルフの上達の 近道です。
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