ハイブリッドクラブ、ユーティリティクラブ

今回はアイアンとウッドの中間クラブ、ハイブリッドクラブを紹介したいと思います。アマチュア向けのクラブと思われがちですが、最近はツアープレーヤーも多用するクラブですね。私もアメリカに来てからハイブリッドをよく使うようになりました。その理由として二つ上げられます。

一つ目は高さが出る。ボールの高さ(最高到達点)は打ち方にも影響されますが、ヘッドスピードの速さに比例してきます。特にロングアイアンに至ってはある程度のヘッドスピードが無いとボールは上がっていきません。ツアー選手のようなヘッドスピードがあればロングアイアンでもショートアイアンと同じ最高到達点を保つことが出来ますが、多くのアマチュアはそうはいきません。私自身アマチュアの中では飛距離は出る方です。ドライバーのボール初速が152mphぐらいで、飛距離にして270−280ヤードぐらいでしょうか。しかし、このぐらいのボールスピードですと、機械で実際測定すると4番アイアンぐらいからボールの最高到達点が低くなってきます。その為に、キャリーは5番アイアンとあまり変わらず飛距離にバラツキが出やすくなります。「3、4、5番アイアンは飛距離が一緒。。。」と嘆いている方はそのためです。そこで役立つのがハイブリッドです。重心が低く作られたハイブリッドはアイアンに比べ飛躍的にボールが上がりやすいです。ですので、高さを保ったまま距離が出せる訳です。高さが出にくいシニアやレディースの方は特に重要なクラブになってきますね。

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2つ目の利点はラフから打ちやすいということです。日本のゴルフコース、そしてアメリカのゴルフコースを比べたとき、その違いが明確なのがラフのありかたではないでしょうか?日本のゴルフコースは高麗芝が多く、ラフに入ってもボールが浮いていて打ちやすいことが多いです。しかし、アメリカのコースはそうはいきません。ラフが密集していてボールが沈みやすく、ロングアイアンどころか、ミドルアイアンでも出しづらいことが多いです。私もアメリカに来た当初、アメリカのゴルフコースは日本のコースに比べて難しいと感じましたが、このラフの違いが一因です。ラフから無理をしてウッドやロングアイアンで打とうとして大叩きをした方も少なくないと思います。ここで役立つのがハイブリッドです。クラブの形状上、ラフからでも打ちやすく、他のクラブに比べるとボールも上がります。ラフから飛距離を稼ぎたいとき、離れたグリーンを狙いたいときには一番役立つクラブになります。

さてハイブリッドを選ぶときに大切なのが「自分に必要なものを選ぶ」ということです。近年では飛び系ハイブリッドやコントロール系ハイブリッドなど各メーカーから多種多様のハイブリッドが出ています。例えば今年流行したキャロウェイ社のX-Hotは飛び系のハイブリッドの代表です。スピンが低く、ボールの初速が速いのが特徴です。反対にテーラーメード社のレスキューなどはコントロール系の代表です。スピンが多くよりアイアンと似た弾道で打てるように設計されています。実際にこの二つのクラブを打ち分けると同じ4番でも20ヤードぐらい距離に差が出てきます。ですので、4番アイアンの代わりに購入したのに5番ウッドと同じだけ飛んでしまう、逆に思ったほど飛ばずアイアンとの差が生まれない、といったことも起きてしまうことがあります。ハイブリッド選びは自分に必要な距離が打て、そしてフィーリングがあったクラブを選別することが最も大切です。私はこのコラムにも登場していただいたPete’s Golfの大野氏に相談し、ローンチモニターを使い、高さ、飛距離ともに自分に必要な距離と高さの出るハイブリッドを購入しました。

ハイブリッドなんてアマチュア向けのクラブで格好わるいと思い、飾りだけの3番、4番アイアンを入れるより、実用的なハイブリッドを活用することでロングゲームが向上すること間違いないですね。

Callaway x-hot