冷やす?温める?

怪我をした場合、または痛みがある場合、冷やした方が良いのか温めた方が良いのか?という質問をよく受けます。そこで今回はこの質問に答えたいと思います。

ゴルフにおいての怪我ですが、多くの場合繰り返しの運動の中で小さな怪我が重なっておきる、反復性運転損傷が多いです。腰、肩そして肘などの痛みなどはその典型的な例でしょう。もちろん急性的な怪我、例えばボールに当たった、ゴルフ場で転んだ、また木の根っ子を強打してしまったなど、もありますが、それは比較的稀です。その怪我や痛みに対して簡単な対処法として、冷やす•温めるといったものがあります。自宅で誰でも簡単にできるのですが、冷やすか温めるかについての選択には経験談やテレビの情報などのみを参考にして医学的な根拠が無いものも少なくありません。

大切なのは、まず炎症を伴っているのかどうか見分けることが大切です。例えば、腫れている、赤くなっている、脈打つ感じがある、といった症状が出ている場合、炎症が伴っているといっていいでしょう。慢性、急性にかかわらず、基本的に怪我をした直後や運動後の痛みは炎症が起きていることが多いです。その場合は冷やすことが必要です。プロ野球のピッチャーが登板後に肩に氷を当てている姿を見かけたことがあると思います。激しく肩関節を使った後、炎症が必ず起きるので、それを取り除き組織のダメージを最小限に抑え、回復を促進してあげる目的ですね。

Table tennis player Michael Maze from Denmark cools down with an ice pack during the men’s singles semifinal match against Timo Boll from Germany during the individual competition of the Table Tennis European Championships in Stuttgart, Germany, Sunday, Sept. 20, 2009.(AP Photo/Daniel Maurer)

アイシングの方法で注意すべきことがいくつかあります。まずアイスパックなどを使用する場合、直接肌に当てることは避けましょう。ジェルなどを素材にしたアイスパックは冷凍庫で冷やすと零度以下になり凍傷などを引き起こします。タオルなど薄いレイヤーを一枚挟むのが賢明です。30分オン30分オフといったように繰り返し行うことが一番効果的です。

ではいつ温めるべきかでしょうか? 例えばリュウマチなどによる関節炎などで朝一番に身体(組織)が硬直してしまってしまい動きが悪いまた痛みが伴うなどの場合、慢性的な肩こりや腰痛など。温めることは組織を柔らかくし、痛みを軽減させる効果があると考えられます。肩、首、腰のなどの筋肉のコリによる痛みなどは組織に行き渡る血流が低下しているので温め、血行をよくしてあげることで症状が緩和することもあります。また怪我をし、しばらく立つ(2ー3週間)のに怪我した箇所が疼くなどの場合、温めてあげ血行を良くし治りを促進する役割もあると思われます。

温める湯たんぽ

しかしながら、先に話したように炎症を伴っている場合、例えば関節炎の再燃などで腫れている、または熱を持っているなどの時は温めない方が懸命でしょう。

家庭でも行なえる温熱療法は多くの手段があります。例えば、湯たんぽ、電気ヒート、またお風呂・ジャグジーなど。温熱療法のアプリケーションはアイシングよりも注意しなければなりません。間違った使い方をすると問題を引き起こしかねません。特に気をつけなければならないのは電気ヒートです。よく患者さんなどから「電気ヒートを患部に付けたまま寝る」、と聞きまが、これは問題です。市販されている電気ヒートの多くは60℃近くまで上がる物も少なくありません。身体の組織(筋肉や靭帯など)はタンパク質で構成されており、このタンパク質は熱には非常に弱く壊れやすいものです。また、患部の温度が上昇することで新陳代謝も上がり、老廃物も増えるわけですが、筋肉のコリや循環器官に問題がある場合、この老廃物がうまく排出されず、組織内に蓄積されてしまいます。そのため、状態が逆に悪化することも考えられます。アプライする箇所にもよりますが、30分以上は行なわないことをお勧めします。そして、水分をよく取り、決して脱水症状などの無いよう気をつけましょう。

こうした簡単な熱療法で随分と怪我や痛みなどに対処できます。大切なことは、自分の症状を知り、冷やした方が良いか、温めた方が良いかを見極めること。そして、それらを正しく取り扱うことです。

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