強風時の対処法

こんにちはティーチングプロの宮崎です。先日コネチカット州のゴルフ場でUS OPENの1次予選が行われ、そこでネイソンくんというジュニアゴルファーのキャディをやってきました。彼は正確なショットでスコアメイクをすることでNY近郊では有名なジュニアゴルファーだったのですが、強風の中でのゴルフに苦戦していたので今回は風が強い時の対処法についてお話ししようと思います。

風が強く吹いた時のショットメイキングの定石は「低い弾道のショットを打つ」ということになります。中・高弾道のショットを打ってしまってはボールが風に流されてしまうからです。ネイソンくんは今回の試合中、定石通り低い弾道のショットを打っていました。しかし向かい風の時、常にショート(目標までボールが届かない)していました。なぜ彼は低い弾道のショットを打っているのにも関わらず距離をコントロールできなかったのでしょうか?

彼が思い通りの距離を打てなかった一番の要因はボールのスピンコントロールができていなかったことです。彼はバックスピンを駆け過ぎるような打ち方をしてボールを打っていたのです。以前、「ボールにスピンをかける」というコラムをこちらで掲載したときにバックスピン量を決める要因は「スピンロフト」であると書きました(画像1)。

画像1

「スピンロフト」はインパクト時のフェースの向きと入射角度の角度差で、その角度差が大きければスピン量が多くなり、小さければスピン量が少なくなるというものです。

今回ネイソンくんがやっていたのは、向かい風の中スピンロフトを大きくするような打ち方でした。例えばセカンドショットの2打目が残り100Yだった場合、PWを持って過度な入射角度でボールを潰すようにボールを打っていました。すると画像2のようにスピンロフトが大きいためボールにスピンがかかり過ぎてしまい、風に煽られてグリーンの手前にボールが落ちたという感じです。

それではスピン量を減らすにはどうすれば良いのでしょうか?それは「大きめな番手を選択し、必要以上に打ち込まないようにボールを打つ」ことです。画像3のように、ロフト角度が立っているクラブを選択し、入射角度を浅くするようにボールを打つとスピンロフトが小さくなるので低く、バックスピンの少ない球を打つことができます。これでボールが風に煽られにくくなり、ボールもちゃんとターゲットまで届くように打てるようになるというわけです。

向かい風でよくショートしてしまう経験がある方は、是非この「大きめの番手で打ち込まない」打ち方を試してみてください。