フォローとフィニッシュ、後編

半年にわたり宮崎プロに執筆していただいたワンポイントレッスンもついに最終回となりました。前回では、インパクトからリリースまでクラブをスムーズに振り抜くことが大切であること、そしてその練習の仕方を伺いました。最終回はフィニッシュについて気をつけたいポイントです。

高田:一世代前までだとジャック•ニクラウスをはじめとする背骨をそり曲げた「逆C」と呼ばれるフィニッシュが流行でしたよね。最近はどのようなフィニッシュが良いとされているのでしょうか?

宮崎:「逆C」フィニッシュは腰に負担がかかるため現在では勧められていません。PGAツアーの選手のスイングを見ても、多くの選手がフィニッシュで 無理に身体を残さず、より自然体でフィニッシュをとっています。

高田:我々身体の専門家からみても「逆C」は腰に負担がかかり、腰痛の原因になるのですすめられないですね。

宮崎:フィニッシュで一番大切なのは無理に身体やゴルフクラブをコントロールしようとしないことです。前回お話ししたリリースが出来たら、腕と手首を脱力させそのまま腕を振り上げる感覚を身につけることです。そうすると腕の勢いに自然と引っ張られるように上体が起きていく感じが得られると思います。

図1

高田:なるほど、クラブの遠心力に任せて自然に身体が起きていくのですね。よく「フィニッシュまで頭を残せ」といったアドバイスを聞きますが、宮崎プロはどう思いますか?

宮崎:無理に頭を残すことはすすめられません。一つは「逆C」になりやすくなりますし、またフォローで頭を上げるタイミングが遅い方は手首が折れやすくなってしまいます。手首が返りすぎるとどうしてもボールが曲がりやすくなります。ですので腕や手首によけな動きをさせず、クラブヘッドの遠心力によって手首が勝手に折れてくれる感覚を身につけるのが良いと思います。

高田:遠心力に任せてフィニッシュ!実に簡単に聞こえます。フィニッシュの形についていくつかポイントを教えてください。

図2

宮崎:図1のようなフィニッシュが理想と考えます。そのためのチェックポイントとして 1)正面から見た場合は左足から頭まで真っ直ぐ立っている、2)後ろから見た場合は左耳の横に手がある、3)首の骨と背骨が真っ直ぐ、4)右足がきちんとめくれている、という4点があげられると思います。理想的なフォローとフィニッシュを作るために有効的な練習方法は、前回紹介した理想的なフォローを作る練習方法の延長上にあります。

簡単におさらいすると小さなバックスイングから図2のリリースを覚え、徐々に大きめのスイングにしていき、図3の位置でフォローをビシッと止めるということでした。

それが出来るようになったら、そこからゆっくりと図1のフィニッシュの形を作る練習をしましょう。そして毎回同じ形でフィニッシュを作れるようになったら、フォローでクラブを止めないでトップからフィニッシュまで振りぬく練習をしましょう。最初はゆったりとしたリズムで行い、慣れてきたら、徐々にスピードを上げて振り抜く感覚を身につけます。この練習であなたも毎回同じフォローとフィニッシュが作れるようになるはずです。

図3

高田:まず正しいフィニッシュとフォローの形を知り、その二つを徐々につなげていくと行った練習方法ですね。

宮崎:そうですね。あくまでも簡単に説明しただけですので、キチンと学びたい方はレッスンをとって、アドレスからフィニッシュまでしっかりと学んでください。スイングが良くなり、良いボールが打ててくると自然とスコアも向上していきます。そうすればゴルフもより楽しいものとなるはずです。