高:こんにちはたいきくん。最近とても暖かくなってきましたね。

た:極寒の冬がようやく終わったと思うととても嬉しいです。これでようやくゴルフができると思うと最高です!!よーし、冬の間サボっていた練習を頑張っちゃうぞー!(笑)

高:私も今年の冬は寒すぎて全然練習に行かなかったので、今度時間があるときにでも行こうかなと考えています。ところで、練習をするにあたって気をつけることってありますか?

た:うーん、気をつけるというか、気を使って良いことならあります。例えば練習量と休憩のバランスとか。

高:詳しく聞かせてください。

た:日本人ってアメリカ人とかと比べてやっぱり練習を凄くすると思うんですよ。『先日500球打ってきました!』とかって生徒さんが結構いたりします。で、練習の内容を聞いたら休みなしでフルスイングしまくり、クタクタになって帰るそうです。

高:すごいですね。そんなにボール打ってたら逆に疲れて当たらなくなったりしないのでしょうか?

た:僕は当たらなくなるんじゃないかなぁと思います(笑)それでは練習について考えてみましょう。

練習には集中練習と分散練習という2つのタイプがあります。

集中練習とは休憩を少なくして一気に練習するという練習形式で、分散練習というのは比較的長く休憩時間を取る練習形式になります。先ほど例に挙げた方は休みなしで500球打ったということで、集中練習をされていたと考えられます。

高:それぞれの練習にはどのような特徴があるのですか?

た:集中練習は休憩を少なくする練習形式なのですが、休憩を減らすことは疲労回復の時間を減らし、パフォーマンスを低下させたりします。ゴルフでいうパフォーマンス減少とは疲れてペッポコなショットを打ってしまうという感じです。

反対に分散練習では比較的長く休憩をとるわけですが、休憩の量が適切ならば疲労を回復させパフォーマンス維持することができます。つまり良いショットを打ち続けやすくなるといった感じです。しかし過度な休憩は練習の減少を招き、練習の質の低下を招くこともあります。なので、練習するときはできるだけ長い練習時間と休憩のコンビネーションを見つけ出すことができると良いですね。

高:なるほど確かにそうですね。それではこれから久しぶりに練習を始めるという方々に向かって何かアドバイスはありますか?

た:今年の冬はとても寒かったので、ほとんどの方がゴルフの練習に行かれなかったと思います。数ヶ月ゴルフスイングをしていないと、以前どのようにクラブを振っていたかすっかり忘れている方が多いと思います。しかし人間の体はそんなに忘れっぽくありません。頭の中にある引き出しにはちゃんと「ゴルフクラブの振り方」というプログラムがしまってあるのでしばらくボールを打っていたらちゃんと思い出してきます。なので、最初の1−2回の練習はボールの数を少なめにして身体にゴルフスイングする感覚を思いさせてあげる程度で良いと思います。

高田先生から何かありますか?

高:

フォームローリングのすすめ

図1フォームローラー

暖かくなってきました。先週練習場に行きましたが、ものすごい混雑していました。皆一気にゴルフムードになったという感じです。待ちに待ったシーズン!とモチベーションが上がると同時に怪我をしやすい時期でもあります。冬の間、全く運動をしていなかった身体は錆び付いています。 筋肉や関節が硬直しているわけです。暖かくなったからといっても身体はまだまだシーズンオフのまま。そんな錆び付いた身体で突然ゴルフをするのは危険です。そこで今回はフォームローラーを使った簡単な運動で、冬の間にたまった身体の錆を振り落とす方法を紹介しましょう。

フォームローラーとは円柱状のトレーニング器具で(図1)、 スポーツ用品店などで20−40ドルほどで購入出来ます。フィジカルセラピーの治療でも自分で出来るマッサージとして患者さんに行ってもらうことが多いです。このフォームローラーを使ってゴルフに大切な1肩甲骨周り、2胸椎、3お尻回り、4太もも、5そしてふくらはぎのマッサージを紹介したいと思います。

図2肩甲骨周り: 横向き になり上腕、脇の下、そして肩甲骨の裏をゆっくりと上下動させて筋肉をマッサージする。

図3胸椎周り: 首を両手で支え仰向けになり、足でスクワットを繰り返すように左右の背中上半部をマッサージする。

図4お尻回り:足を四の字に組み、腕でバランスをとりながら、お尻の裏から太ももの横にかけてマッサージする。

図5太もも: 腕で身体のバランスをとりながら①太ももの前、②太ももの外側、③太ももの裏をマッサージする。

図6ふくらはぎ:足を組み、腕で身体のバランスをとりながらふくらはぎをマッサージする。

フォームローリングを行う時のコツはゆっくりと筋肉をなめすように行うことです。硬いと思われる箇所(筋肉や筋膜の硬い場所は痛みが伴うことが多い)を見つけたら重点的に1−3分程度行いましょう。10分から15分毎日行うだけで随分と効果が得られると思います。フォームローラー選びのコツですが、最近は様々な大きさや硬さのフォームローラーが売られています。初めての方は標準の大きさ(直径6インチ、長さ36インチ)がおすすめです。硬さの基準は「痛すぎない程度」が良いと思います。あまり硬すぎると痛すぎてリラックス出来なくなってしまいますし、逆に柔らかすぎると効果が得られません。

フォームローリングで筋肉を柔らかくし、楽しく怪我の無いシーズンを送ってください。また、この運動はデスクワークで肩が痛い、腰が痛いといった方々にも有効的なのでゴルフをしない方にもおすすめです。次回は宮崎プロによる「集中練習と分散練習」についてです。

*必要以上の不快感や痛みなどが生じる場合は専門家にご相談ください。

高田洋平

old american golf club