アイアンシャフトはスチール?またはグラファイト?

ドライバーや3Wのシャフトがスチールからグラファイトに移行して早20年以上経ちました。しかしその間もアイアンのシャフトはスチールが主流でしたね。しかし、近年アイアンシャフトをスチールからグラファイトに変更する上級者、プロが増えてきています。また、2023年はグラファイト元年になるともいうコメンテーターもおり、グラファイトのアイアンシャフトに注目が寄せられています。アイアンのスチールシャフトとグラファイトシャフトを比較した場合、グラファイトになぜ注目が集まっているのでしょうか?

まず、アイアンで使える高品質なグラファイトシャフトの量産技術が進歩しているという点が挙げられます。過去に比べてアイアン用のグラファイトシャフトが製造され、その技術、品質も向上しています。ドライバーのシャフトが高価でも一本だけなので成り立つ場合でも、6本以上あるアイアンセットに高価なシャフトを選ぶのは普通できないですよね。

Fujikura Axiom 105s

次に、クラブフィッティングが一般市場にも普及してきたという点があります。フィッティングで自分に合ったクラブを探す場合、ヘッド、シャフトなどの選択肢が多い方がよいです。グラファイトシャフトは設計の自由度が高く、素材の変更や巻き方の調整によって硬さや、重さ、しなり方などを自由に変えることができます。これにより、個々人のスイングに合わせたクラブを作りやすい点があります。

さらに最も重要な点として、グラファイトシャフトは体への負担が少ないということが挙げられます。関節炎や腱鞘炎、肩の痛み、首の痛みなどは、ボールを打つときに生じる衝撃が原因となることも多いです。比較すると、グラファイトシャフトはスチールシャフトに比べて衝撃を吸収する性質があり、体への負荷が軽減されると言われています。全盛期の尾崎将司プロが肩の痛み対策としてグラファイトシャフトに変更したことはよく知られています。ゴルフは繰り返しの動作、衝撃から反復性ストレス障害を引き起こしやすいので、体への負担を少しでも減らしていくという工夫は必要な時代です。

近年多くのシャフトメーカーがアイアン用のグラファイトシャフトの新製品を発表しており市場に出回っています。またこれから先様々なグラファイトシャフトが登場してくると言われています。例えば、Fujikura社が2023年にAxiomというグラファイトシャフトを発表しました。価格帯も一般ゴルファーが手の届く範囲になってきています。私自身も慣れ親しんだスチールシャフトを変更することに抵抗を感じておりましたが、今年は心機一転グラファイトに挑戦しようと思っています。手の痛みや腱鞘炎に悩まされている方は一度トライしてみるのも良いですね。

ちなみに、雑談ですがグラファイトシャフトの世界シェアは日本企業がほぼ独占している分野で、世界に誇る産業の一つです。Yohei Takada

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