コーチが学んだTPIって何?

松山英樹選手のマスターズ優勝の影の立役者目澤秀憲

コーチが学んだTPIって何?

今年は本当に嬉しいニュースが続きますね!笹生優花選手の全米女子オープン優勝は日本でも大きく取り上げられたのではないでしょうか。4月の松山選手のマスターズ優勝、そして6月の笹生選手の全米女子優勝は2021年の日本ゴルフ界を熱狂させるには十分過ぎますね!

実は笹生選手、ニューヨークで行われている「アマチュアゴルフの祭典ベスト30ゴルフ大会」に2019年にゲスト参加していたのはご存知でしょうか?当時17歳ながら半端なく強いボールを打っていた記憶があります。ニューヨークの日系アマチュアゴルフ大会に参加してくれていたのは嬉しいですよね。

さて、今回は松山選手のコーチとして有名になった目澤秀憲コーチが学んだと話題になった Titleist Perform Institute(TPI)についてのお話です(図1)。TPIとは、世界で初めてゴルファーをサポートするために、レッスンプロ、トレーナー、医療従事者が組織的にチームアプローチをする必要性を唱えた協会です。わたしも2008年からTPIのコースを受講し、目澤コーチと同じLevel IIIの資格を有しておりますが、ゴルフを多角的な角度から、体とゴルフスイングを結びつけて考えるコンセプトは大変勉強になっております。

図1:目澤秀憲コーチとフロリダPGA Show(TPI booth)にて

TPIは体のアセスメントを通してゴルフスイングへの問題点の指摘、または改善点の定時をします。具体的な一例として、肩の可動域のテストがあります(図2)。ゴルフスイングをスムーズにするためには十分な肩の可動域が必要であり、可動域が不十分であれば、例えば、スイングがアウトサイドインの軌道になってしまうというなどの問題を起こす可能性が高くなります。可動域が狭い場合は、練習場でスイングを変えようとするだけでなく、治療家やトレーナーに診てもらい可動域を上げ、体の面からゴルフスイングの向上に努めていく必要があります。このようにTPIの取り組みにより体の問題からゴルフを上達させることができます。

図2:肩の可動域のテスト

U.S. PGAの世界では、コーチ、治療家、トレーナーといったチームで選手をサポートするのが当然となってきております。今PGAで活躍されている選手の中でトレーナーも、コーチも付けていないという選手はいません。そして実はこのチームアプローチのコンセプトの恩恵を受けられるのはプロよりもアマチュアの方なのです。なぜなら、アマチュアのプレーヤーの方が関節の可動域や、筋肉の柔軟性、筋力などが劣っていることが多く、身体の面からきちんとアプローチしてあげるとより伸び代が広いからです。私自身もこのような取り組みをしてハンディ0まで上達したアマチュアの一人でもあります。皆様も一度こうしたTPIのような体から取り組むスイング改造に望んでみてはいかがでしょうか?

髙田洋平

Liberty National Golf Club