PT、フィジカルセラピーってなんですか?

T: 理学療法士(以後PT)の高田です。前回紹介したように今月から宮崎大輝プロと一緒に、スイング、トレーニング、そして日本とアメリカのゴルフへの取り組みの違いなどゴルフについて色々なトピックスを扱っていきたいと思います。大輝プロよろしくお願いします。

Mプロ: よろしくお願いします。早速ですが先生、素朴な質問があるので伺っても良いですか? そもそもPTとはどういうことをしてくれる人なのでしょうか? 整形外科の先生とかとは違うの??

T;違いますね。例えば膝が痛いという患者さんが居たとしましょう。整形外科の先生だったら患者さんの膝の骨・筋肉・スジなどを診断し、病名をつけ、それに対して注射・薬・手術といった処置をするのがお仕事になります。しかし我々PTの場合、患者さんの膝が痛いという時に『なぜ膝に負担がかかっているのか』を診るのが主な仕事になります。

Mプロ:おお!なんか違いますね!!

T:膝を例にあげて言うと、膝というのはいきなり痛くなったりすることはまずありません。何かしら膝に負担がかかる原因があり、その負担の蓄積の結果として膝の組織の 損傷に繋がるわけです。この何かしらの負担がどこから起きているのか、なぜ起きているのかを診断し治療していくのが私の仕事です。

Mプロ:ふーん、じゃあ取り組み方が全然違うんですか?

T:はい。例えば膝痛の患者さんに首の治療をしたり、骨盤や足の治療をすることによって膝の負担を軽減し、その痛みを取り除いたりします。

Mプロ:なるほど。僕は生徒さんのゴルフスイングのフォームを一気に変えちゃうのが得意です。その時に、フォームの問題箇所ではないところを直し、結果的にスイング全体をより良いものに導いていくことがよくあります。それとちょっと近いのかな??

T:そうですね。どうしても一カ所だけにとらわれてしまうと身体全体の動きを見落としがちになってしまいます。私の治療方針は身体にかかっている負荷をいかに取り除いてあげることに集中します。そして効率的な身体の動きに導き、その結果、問題箇所の痛みが無くなるようにするわけです。

Mプロ:おお! そこも一緒なんですね!! 僕はレッスンするとき、スイング中の身体のアラインメントを適切にして身体のへの負担を小さくしていきます。身体への負担が減ると身体のパフォーマンスは勝手に上がっていきます。その結果、スコアも自然と良くなっていくと考えています。まあ、少なくとも痛い痛いって言いながらプレーするよか痛くない方がいいでしょ(笑)

T:そうですね。

Mプロ: 先生はNYのトップアマチュアでゴルフスイングも深く理解していていますよね。その上、PTで身体の動きが専門の先生の視点はわれわれプロやトレーナーとは異なっていてとても勉強になります。

T:これから宮崎プロの斬新なスイング理論と一緒に、日本とアメリカのゴルフ事情、怪我、トレーニング、ゴルフスイング、道具、ゴルフコース、あらゆるジャンルについて 書いていきたいと思います。これから皆さんお楽しみに!

宮崎 太輝/Taiki Miyazaki 

NY出身のゴルフインストラクター。日本での学生時代、テキサスのハンクヘイニーゴルフランチにて当時世界最先端のスイング理論を学び、渡米を決意。

NY市立大大学院でExercise Science & Rehabilitationを専攻し、より効率的に新しい身体の動きを習得するためにMotor Learning(運動学習)の分野を研究。バイオメカニクスにも精通しているためゴルフにおける飛ばしの要素を科学的に正当性をもって特定。飛ばしの要素を効率よくスイングに組み込むことでクライアントの飛距離アップを初心者からプロまで実践。短期間でクライアントのスイング、飛距離、スコアを改善することが得意。

日本のゴルフフィットネスジムNo.1であるTotal Golf Fitnessでツアープロトレーナー対象としたゴルフスイング・動作分析研修を実施。関東から関西までの様々なゴルフアカデミー・JPGA・JLPGAのティーチングプロを対象により効率の良いゴルフレッスンの指導法の講習会を行った経験を持つ。