フンクフィジオの高田です。今回は私の専門である姿勢についてです。トレーナーやフィットネス系のインストラクターの方も含めて意外と姿勢いについては知られていません。ルックススや文化的要素が先行して姿勢について勘違いをされている方が非常に多いと思います。

図1

では良い姿勢とはなんでしょう? 一言で言うと骨格で重力を支えられ、リラックス出来るポジションです。逆に言うと筋肉やじん帯への緊張や負担が一番少ないポジションと言うことになります。

例えば私も子供の頃よく言われたのが「背筋を伸ばしなさい」「胸を張りなさい」です。確かにモデルさんやバレーダンサーなどは胸を張っていることが多いですし、美しく良い姿勢と評価されやすいです(図1)。しかしあのような姿勢を保つには背中の筋肉を常に緊張状態にしなくてはいけません。あくまでこれは文化的な美しさであって人間が進化の過程で得た最も効率な姿勢ではありません。運動学の視点から見ても緊張した筋肉はスムーズな動きの妨げになりますので好ましくありません。また、背中が丸まって背骨のじん帯に支えられている状況も好ましくありません(図2)。

図2

効率的で良い姿勢はゴルフのアドレスにも非常に大切です。人間にとって一番難しいとされる動作の一つが「静⇨動」の動きです。要するに完全な静止状態から動き始めるのは我々にとって厄介なことなのです。動作に支障をきたすイップスという病気がゴルフというスポーツに広く知られているのはこの「静⇨動」の初動の難しさが原因の一つだと思います。そしてその難しさは筋肉の硬直や、関節靭帯への負担が多ければ多いほど増していきます。ですのでアドレスからテークバックへのスムーズな動きを得るためにもアドレス時に良い姿勢を保っているのは大切になります。

どのようにしたら良いアドレスが取れるかですが、まず立ち姿勢から練習するといいです。立った時に胸、お腹、骨盤、この体の部位をブロックだと思ってください。そしてこのブロックが垂直に並ぶようにしてみてください(図3)。誰かに横から手で触ってもらうとよく分かるかもしれません。最後に背中やお腹などに余計な力が入っていなくリラックスしていることを確認してください。これが正しい立ち姿勢です。ゴルフのアドレスはこの状況からリラックス状態を保ちながら、膝と股関節を軽く曲げた状態になります。

図3良い姿勢

良い姿勢は良いアドレスを作るカギです。普段から体のブロックを意識して良い姿勢を保ってみてください。ゴルフのアドレスもきっとより効率的なものになるはずです。

髙田洋平

old american golf club #8