早いものでもう10月です。シーズンの終わりで悲しいですが、また楽しみな時期でもあります。一つの理由は各メーカーからゴルフクラブの新製品が発表される時期だからです。 新たなクラブを模索したり、シャフトを交換したり、クラブセッティングをいじったりすることはゴルフの一つの楽しみではないでしょうか。また別の理由は肉体改造、スイング改造が本格的におこなえる時期だからです。シーズン中は特にそれらのことに割く時間があまりなく、週末はゴルフ場にただただ行ってしまうことが多いと思います。しかし、シーズンオフはゴルフ場に行く代わりにじっくりとエクササイズに取り組むことが出来るはずです。そこで今回は毎日継続してでき、自宅でも簡単に行えるスイング向上に役立つエクササイズを紹介したいと思います。

ゴルフクラブを効率良く振るためには、身体全体が柔軟である必要があります。ただ、すべてのゴルフプロがバレリーナのような柔軟性を兼ね備えているかと問われるとそうではありません。私の知り合いのプロのなかにも前屈で手が地面に届かないプロも多くいます。では、ゴルフに大切な柔軟性とは何でしょうか。私はそれは肩と股関節の柔軟性だと考えています。なぜでしょうか?それはゴルフが回転系のスポーツだからです。人間の身体の構造上、回転(捻転)を生み出せる箇所(関節)は限られてきます。主な箇所は、股関節、そして胸骨、肩甲骨を含む肩です。この二カ所によって身体の主な捻転が生まれています。

Half Moon Bay Ocean Course

今回はその中でも肩の柔軟性に焦点を当てて話を進めていきたいと思います。多くの方は肩関節と聞くと「肩」だけど思い浮かべると思いますがそうではありません。私は、肩とは肩甲骨さらには肋骨、胸骨を含んだ総合的な身体の部位として考えています。リハビリの世界でも同じことがいえます。肩に疾患がある場合、肩関節だけを治療することは効率的ではありません。首、肩甲骨、肋骨、さらには胸骨などを総合的にみて初めて肩の治療が出来るものです。ですからここで私のいう肩とはこの総合的な関節、筋肉群の総称だと理解してください。

では肩が固いとどうした問題が出てくるのでしょうか?バックスイングで身体がつっかえて動かない、また腕が上がりづらく身体が起き上がってしまう、またはフォロースルーで身体が起き上がってしまう、クラブを振り切れない、さらにはフィニッシュが崩れるなど様々な問題が生じてきます。こうした問題は確かにスイングの問題ですが、根本的な問題点は肩が固いため、良いスイングをしたくても出来ないのです。こうした悩みをお持ちの方はこの肩の柔軟性を向上させるとスイングが自然に改善されることが多いです。

ではどうやればよいか。冬の間簡単に行えて、毎日すれば来シーズンにはスイングが向上するというエクササイズを紹介したいと思います。

簡単なエクササイズですが 継続しておこなうことが大切ですので毎日(少なくとも週に3−4回程度)するよう心がけてください。

図1

体勢ですがまず横に向いて寝転がります。首をサポートする枕も忘れないでください。上の足を出来るだけ胸の方に持ってきて下腕で図1のように押さえます。後は上腕を時計回り、反時計回りに回すだけのエクササイズですが、いくつかポイントがあります。まず、長い時間をかけてゆっくりと回す。少なくても片側5分は行いましょう。はじめは小さく、そして徐々に大きな円を描くように行っていきます。はじめにお話ししたように肋骨が腕の付け根だと考え、肋骨から腕を回すように心がけましょう。(図2)

図2Arm circle

最終的に手が床から離れず大きな円をスムーズに描けることが目標ですが、決して力ずくで無理に押し込んだりしないよう心がけましょう。時計回り、反時計回りとスムーズに回転できるようになればあなたのスイングも劇的にかわるはずです。(痛みを伴う場合は専門家に診てもらうことをお勧めします。)