シーズンオフに大切な身体の管理
1月からハワイでPGAシーズンはスタートしましたが、ニューヨークのゴルフシーズンはしばらくお預けといったところでしょうか?
今回は、シーズンオフだからこそ大切なトレーニングや身体の管理についてお話したいと思います。フロリダやカリフォルニアと違いニューヨークではシーズンオフがありす。ゴルフ好きの我々にとって残念なことではありますが、逆に言えばシーズンオフがあるということは良いことでもあります。なぜなら、この時期をうまく利用することで、怪我の予防や既に起きてしまった怪我の治療、トレーニング、そしてゴルフスイングの向上など様々なことに役立てることができるからです。
ゴルフスイングは一方向の動きを繰り返し行う、とてもアンバランスな運動です。ですから、ゴルファー は身体に筋肉のアンバランス、ゆがみが生じがちです。右打ちのゴルファーが、立ったときに自然と右肩が下がっていたりすることはこの筋肉のアンバランスからくるものです。また、肩を回したときに左右で回転度が違ったりすることもそうしたアンバランスの一例です。こうしたことを長年放っておくと、身体に 負担がかかり怪我の原因、慢性的な怪我や痛みに繋がりかねません。簡単な対処法として、例えばストレッチ または筋トレをする際、難しいと感じる側を2倍の頻度で行うといったようにして徐々にバランスを整えていくことが大切でしょう。
怪我や痛みを治してあげることもシーズンオフにキチンと行うべきです。シーズン中は多少の痛みがあっても「そのうち治る」と放っておきになりがちです。しかし、そのことで知らず知らずのうちに悪化し続けることが多々あります。たとえばゴルファーで一番多い腰痛ですが、放っておくと再発する可能性が大変高い怪我です。また、長年放っておかれ慢性化すると、もちろん治療しても治りづらくなってしまいます。フィジカルセラピストのような専門家に診てもらい、早期にきちんとした対応をすることが大切です。
ゴルフもスポーツですのでボールだけ打っていれば良い、または上手くなるものではありません。目的を持ってトレーニングをすることが大切になってきます。例えば、筋力が落ちてきたから筋トレをしよう、柔軟性が足りないからストレッチをしよう、また18ホールプレーする持久力が足りないからエアロビックエクササイズをしようなどなど、様々な目的があると思います。やる気はあるがどこから始めてよいか分からないという方は専門家に一度相談するのが良いかもしれません。TPI はタイトリストがスポンサーをしているゴルフ向上のための機関ですから、このTPIの資格を持っている専門家に相談しアドバイスを受けるのが一番だと思います。詳しくはwww.mytpi.comを参照してください。
最後にゴルフスイングの向上についてお話ししたいと思います。ゴルフスイングの改造を試みた方はご存知でしょうが、スイングを変えるということは容易ではありません。多くの場合、シーズン中に行うスイング改造はプレーと平行しながら、ということになりますが、こうした改造はあまり上手く行きません。というのも目先の結果に気を取られ、スイングを根本的に変えることを恐れ、中途半端な“改造”を繰り返すことになるからです。スイングを変えるということは、自分の中にある今までの感覚を捨てなければなりません。そのため、改造中はボールをコントローすることどころか当てることすら難しなることも多々あります。
プロですらスイング改造中はスコアもボロボロになりますし、ボールに上手く当たらないものです。ですから腰を据えてスイング改造に望む場合、シーズンオフの方が有効です 。ここで勘違いしてはいけないのは、俗に言う「ワンポイントレッスン」はある意味ツギハギ的なレッスンということです。そうしたレッスンはあなたのスイングを根本的に良くしようと言うものではなく、その場しのぎで、ボールに当たりやすくするためのものです。逆にいうと、そうしたアドバイスの中には、長い目で見た場合スイングを悪化させるものもあるので気をつけなければなりません。キチンと長期プランを立て、そのゴールに対してレッスン計画を立ててくれるプロを探すことが大切です。前回紹介したカークプロや前回このコラムを執筆していただいた宮崎プロなどに相談すると良いでしょう(図1)。両プロともに冬は室内でレッスンしているので冬でも本格的にレッスンを受けられます。シーズンオフを有効活用して2013年のシーズンをより充実したものにしてください。