歩き方
歩き方
今回はゴルフのみならず、生活の中で一般的に行われる動作「歩く」ということに焦点を当ててみたいと思います。遠くから歩いてくる人を見て、その歩き方から、「あ、誰々さんだ」と気づくことは少なくありません。私のような専門家からみると歩くという動作には、その人の運動能力、問題点など様々なものが反映されているものです。また歩き方を見て、怪我をしやすい箇所など見分けることが出来ます。ここでは良い歩き方とはなにか?効果的な歩く運動などを紹介していきたいと思います。
まず最初に「良い歩き方」とは何かを説明していきたいと思います。トッププロまたはトップアスリートの歩き方を見ていると、ある共通点に気づきます。タイガーウッズ、マイケルジョーダン、また陸上のボルトなどの歩き方を見てみてください。その効率的な動きに美しさを感じると思います。気をつけなければいけないのは、モデルやダンサーは一見美しく思いがちですが、それには意識的に身体を操作しているもので私のような身体の専門家から見ると不自然な身体の動きで、効率的な自然な動きとは違ったものです。
効率的な歩き方の大切なポイントはいくつかありますが、以下のポイントをあげたいと思います。①リラックスしている。あ、そんなことかと思いがちですが、これが一番大切で難しいポイントです。立った状態、また歩いた状態で完全にリラックス出来るということは姿勢がとても良いということです。繰り返しますがモデルさんなどは意識的に胸を上げたり、腰をそらしたり意図的に美しく見せようとして作った姿勢ですので、私が考える良い姿勢とは程遠いです。ポイントとしては骨盤、おなか、胸、頭といったパーツを個々に見たときに、一つ一つのパーツが真っ直ぐ積み重なっている。また個々のパーツが垂直であることがあげられます。②骨盤と体幹を上手く使って歩いている。タイガーウッズの歩き方を正面から見ていると右足を前に蹴り出す時、右骨盤から始動しています。また左足のときは左骨盤から始動しています。足からではなく体幹から脚の動きが導かれていることが見て取れると思います。③背骨が安定している。骨盤は積極的に動いていますが、背骨は反ったり曲がったりせず、ドシッと安定しています。コア筋がとても効率的に背骨を安定させている証拠です。(図1タイガーウッズ)
さて、「効率的に歩くぞ!」と思って歩き方に気をつけたところで残念ながらそれだけではすぐに出来るようにはなりません。現代社会生活において我々は身体を動かすということを失ってします。効率的に歩く為には、骨盤、股関節、ひざ関節、などなど体中の関節、筋力が効率的でないといけません。より詳しく学びたい方は、私のような専門家に診てもらいアドバイスまたは治療を受ける必要がありますが、簡単な練習方法を紹介したいと思います。
IPAというグループが推奨する以下の3つの歩き方を上手く使って歩き方を向上させてください。歩き方が効率的になると、疲れが軽減する、腰痛や足の痛みが無くなる、など利点が上げられます。
最初に股関節が肋骨ぐらいにあるイメージでおなかの筋肉を使って歩きます。足を引きずっている感覚になりますが、体感の筋肉を使って歩く感覚が養えます(図2)。次に跳ね馬のようにヒザを胸につける様に足を高く上げて歩きます。(図3)。最後に強い向かい風の中をローラースケートで走るように前傾姿勢でつま先を蹴るようにして歩きます。後ろ足を最後までのばし、前に押していく感覚が養えます(図4)。普段歩く中で、この三つの歩き方を5分間ずつ行うだけで非常に効果的に体感や骨盤のトレーニングを行うことが出来ます。