コア筋

近代ゴルフ理論でよく耳にする言葉が、ボディーターンです。腕の動きを極力抑え体のターンでボールを打つということですが、果たしてこれはアマチュアに当てはまることなのでしょうか? 私が見ている限り多くのアマチュアはクラブの振り遅れによるスライス、つまり腕が十分に振れず、インパクト時に体が開いてしまって起こるスライス、に悩んでいます。反対にプロやトップアマチュアは、意図的にフェード系のボールを打つようにスイング改造をしていない限り、ドロー回転のボールを打つことがほとんどです。腕がよく振れ、インパクトでクラブが走っているわけです。しかし、逆に腕が振れ過ぎ、クラブが走り過ぎてしまうことが多々あり、ドロー回転のかかり過ぎに悩んでいることが多いです。アマチュアの悩みとは正反対といっても良いでしょう。このかかり過ぎるドロー回転を抑える、またはフェード回転にするためにボディーターンというコンセプトは大変役に立ちます。しかし、先に言ったように多くのアマチュアは振り遅れに悩んでいます。そのためにボディーターンというコンセプトは、アマチュアにとってはマイナスになることが多いと思います。身体だけが動き回り、体幹が崩れ、腕が振れず、そしてヘッドスピードが生まれないので、飛距離が出ないスライスがさらにひどくなってしまうのです 。

図1腹筋運動

ですからもしあなたがスライスに悩んでいるのであれば、体幹をどっしりとさせ腕をしっかり振る練習をした方が良い結果が生まれます。そこで大切になるのが体幹を安定させるコア筋です。 腰痛のリハビリなどで必ず行われるコア筋のエクササイズですが、そのやり方はさまざまです。また、コア筋=腹筋と勘違いしている人も多くいます。そのため腹筋運動(図1)をコアエクササイズだと思い込んでいる人もいます。しかしこのような腹筋運動は背骨に大きな負担がかかり逆に腰を痛めてしまうことが多いです。そのため私はこの腹筋運動をクライエントに行ってもらうことはありません。ではどのようなエクササイズがよいか?まず簡単なところから始めることです。

図2プランク

例えばプランク(図2)やブリッジ(図3)のフォームを崩すことなく行えるようになるところから始めてみてください。私は一般の方でも3分間はフォームを保てるだけの筋力•持久力が最低限必要だと考えています。もちろん、アスリートであればさらに長い時間耐えられるだけど筋力•持久力が必要です。鼻歌を歌いながら楽に3分以上耐えられるようになったら片手または片足でプランクを行ったり、片足でブリッジを行ったりと負荷レベルあげてみましょう。腹筋運動が何回できるといよりも、どれだけこうしたフォームを保ち耐えられるといったほうが大切です。

図3ブリッジ

体幹(コア)がしっかりすれば腕も振れるようになってきます。そうすればスライスが直り、ヘッドスピードが上がり、ボールコントロールも良くなるはずです。スライスに悩む方は是非参考にしてみてください。

注意:腰に問題がある方やエクササイズ中に痛みが伴う場合は専門家に相談してください。

図2 プランク
注意点:あごを引き、首から腰そして足まで一直線になるようにフォームを作る。ひじを地面に押し込むようにして、肩甲骨が浮かないようにする。

図3 ブリッジ
注意点:お尻の筋肉を使うように意識し、腰が反ったりしないようにする。