バランストレーニング
私はこのコラムを通して、ゴルフは「身体のバランス」が最も大切だと繰り返してきました。単に筋力、柔軟性、コア筋といった単体としてみるのではなく、それを柱として運動神経(脳)で統率されて初めて身体機能となる訳です。さて、こういった話をすると具体的にはどういったことか?そしてどういったトレーニングをすれば良いのか?と質問されるので今回は例を一つ取って話を進めたいと思います。
まず身体が機能的に動いているかどうか簡単なテストをしてみてください。スクワットです。ゴルフクラブを肩幅に持ち、頭の上に持っていきます。その姿勢で “ゆっくりと”最後まで下がり、ゆっくりと上がってください。出来ましたか?チェックポイントは以下の4点です。①踵が浮かない、②膝が内側、または外側に折れない、③クラブが足より前に出ない。④スムーズに行える(図参照)。身体のバランスとはこうした“基本的な動作”を行えるか?そのため筋力、柔軟性、コア筋などが上手く働いているかということなのです。決してジムに行き100キロのバーベルをもちスクワットが出来るかどうかということではありません。もし上述したように“普通”スクワットが出来ないのに、 ジムに行きウェイトトレイニングをしたらどうでしょう?身体のバランスがさらに崩れ、悪い癖が付き、そして怪我をするだけです。二月号のコラムでタイガーウッズの身体の不バランスに警鐘を鳴らしましたが、案の定怪我を引き起こしてしまいましたね。
私はフィジカルセラピストであると共にトレーニングの専門家です。クライエントからジムでどんなマシーンを使ったら良いか質問されることがよくありますが、私のトレーニングメニューでマシーンを使うことはほとんどありません。というのも大半の方がスクワットのような私が考える“基本的な動作”が出来ないからです。それを改善するためのトレーニングにマシーンやウェイトなどいらないのです。もちろん 効率的に身体を動かしている一流のアスリートなどは負荷をかけたトレーニングを指示しますが、それは全体的に見てごく稀なケースです。
さて、どうしたトレーニングをすれば良いか? まずスクワット、腕立て、片足立ち、などの “基本的な動作”を出来るようにトレーニングをする。そこから始めなければなりません。残念ながら現在の生活習慣は身体を使わない、または極端に隔たった身体の使い方を強いられています。そのような生活を何年も続けているうちに人として“基本的な動作”が出来なくなっている人が大半です。ニューヨークタイムズ紙が「座ることは新たな喫煙のような習慣だ」といった記事を書いていましたが、身体に害を及ぼすという意味ではその通りだと思います。そうした錆び付いた身体をまず改善するトレーニングが最も必要となる訳です。
ベスト30チャリティーゴルフトーナメント
ニューヨークの真夏の祭典、ベスト30ゴルフトーナメントが今年も開催されます。今年からからはデルタ航空スポンサーのもと一般、シニア、そしてレディース部門ともに7月4日、5日の二日間、Royce Brook GCで開催されます。ニューヨーク近郊で日系のゴルフ大会はいくつも開催されていますが、この大会はその中でも最も競技性が高く、ゴルフの上達を目標に取り組んでいる方々には大変有意義な大会です。皆様のご参加を心よりお待ちしています。
申し込みは www.best30golf.orgからお願いします。