理想的なインパクトの形
前回の記事では、ダウンスイングでの身体の回る順番とX-factorの作り方について説明させていただきました。今回の記事では、理想的なインパクトの形についてお話させて頂こうと思います。
理想的なインパクトの形を作るためには、トップの位置から斜めに傾いている背骨を軸にして、腰、胴、肩、腕の順番で身体を回します(図1左)。このとき、正しくX-factorを作り、それを保ちながらクラブを振り下ろすことができると理想的なインパクトの形ができます(図1右)。手は胸の正面にあり、胸は正面を向いて腰は30度程回っていますね。

逆に、ダウンスイングで腰が早く回りすぎていると、手は振り遅れてしまいます。また腰からではなく胴、肩、腕のいずれかからクラブを振り下ろしてしまっても身体を適切に回すための順番が崩れてしまうので、やはり理想的なインパクトの形はできません。ですから、理想的なインパクトを作るためには、トップから腰を回してダウンスイングを行うことが必須条件となります。文章だけを読むと とても難しいように思う方が多いと思います。しかし、このインパクトの形は実は誰にでもできるものなのです。
バットでブッ叩く!

この理想的なインパクトの形を再現するには、野球スイングでサンドバッグや古タイヤなどをバットで叩くのが一番簡単練習方法です。しかし、一般家庭にはもちろんサンドバッグなどはないのでイメージだけでもOK。バットもしくはクラブを持ち、図2左図のように構えます。後は斜めに傾いた背骨(軸)を意識して腰から身体を回してバットを振り、サンドバッグを叩きます。インパクトでは、サンドバッグの表面とバットの側面が平行になるようにしましょう。そうすると、サンドバッグとバットの面が当たる部分が多くなるのでとても大きな音がでます。うまくサンドバッグとバットの面を合わせてインパクトできない人は、軸がぶれてしまっていることが考えられるので、トップからインパクトまで頭を位置と向きを動かさないことを心がけると良いでしょう。これで腰が先行した理想的なインパクトの形に一歩近づけるはずです。
フォローでビシッと止める!
それでは、実際にボールを打つときの練習方法です。クラブをトップの位置で構え、バットを振る要領でトップから腰から回してクラブを振ります。そして、図3の位置でフォローをビシっと止めます。コツは、顔の位置と向きを変えないことです。顔の向きを変えないと、クラブヘッドの遠心力によって頭が引っ張られるのを抑えることができるようになるので、身体はスイングをするため安定した軸を手に入れることができます。これさえできれば、手首の角度を意識しなくとも自然と理想的なインパクトの形でボールを打つことができるようになるはずです。

ハンドファーストのインパクトを作るために、手首の角度をインパクトギリギリまで解かないように我慢されている方が多くいらっしゃいます。しかし、初心者−中級者の方が形だけハンドファーストのインパクトをしてみても、フェイスのコントロールができないのでシャンクやスライスを打ってしまう方が多いです。この練習では、手首の角度をホールドする必要は全くありません。手首をリラックスさせた状態で、正しい順番でダウンスイングを開始し、図3の位置でフォローを止めることができればフェースコントロールも自然と身につきます。ですから、無理に手首の角度を維持する努力はしなくて良いです。この練習をして、ビシッと鋭いインパクトを身につけましょう!
*実際にバットでサンドバッグなどを叩くことができる環境にある方は、手首を傷めないための最低限のインストラクションをお伝えする必要があります。