ゴルフスイングとは

今回はゴルフスイングの「基本」について考えてみたいと思います。よく雑誌やテレビなどで使われる表現ですが、そもそもスイングの基本とは何でしょうか?基本というからには時代に左右されないすべてのゴルフプロ•上級者のスイングに通底することということでしょうか。とはいってもスイング理論は最近のものだけを見ても多岐にわたるし、スイングの理論自体時代と共に変化しているもので「基本」では無いように思えます。例えば「古いスイング」なんて言葉もありますが、もしジャックニクラウスが現在現役で世界で一番強いプレーヤーだとしたら、彼のスイングが「最新」ともてはやされるのではないでしょうか? 一番始めに教わるグリップですら基本など存在せず、一般的なオーバラップ、インターロッキンググリプから、ベースボールグリップ、ダブルオーバーラッピング、さらにはクロスハンドなど様々です。さらにはストロンググリップ、ウィークグリップなども加わりますからその組み合わせは数十通りにもなります。

ではプロ•上級者のスイングに共通点は無いのでしょうか?近年の技術の向上により身体の動きを様々な角度から測定出来るようになりました。その結果、上級者•プロに唯一共通する点が解ってきています。それはKinetic Sequence(運動連鎖)です。

kinetic sequence

簡単に説明すると身体を動かす順番ということです。私は身体の動作の始動は骨盤だと考えています。歩く、走る、投げる、蹴る、どのような動きを観察しても効率的な動作は骨盤が中心となって動作が行われています。こうしたことが実際機械で測定出来るようになってきていています。グラフを見てくださいこれはスイング時の骨盤、肩、腕、そしてクラブの動き•スピードを測定したものです。これはPGAプロの測定結果ですが、骨盤、肩、腕、クラブと行った順にダウンスイングが始まり、連鎖を重ねるごとにインパクトに向け順々にスピードが上がっていることが表されています。興味深いことにスイングのタイプ、スタンス、グリップなどが異なっていても プロ•上級者のこのグラフは同じ形になります。ところがハイハンディキャップの方のグラフはこの連鎖がスムーズではありません。腕、または肩から動きが始動したり、また連鎖のタイミングが悪かったりなどプロの結果とは違ったグラフの形になります。

図1

さてどうしたらプロのようなグラフになるか?はっきり言って簡単ではありません。運動連鎖というものは、 無意識的に行われているものです。ですので意識的にこれを変えようとするとぎこちないものになり、スイングを崩しかねません。要するに意識的に変えるのは不可能です。一つ一つ連鎖が崩れている原因を探り、それを直していくことが唯一の方法です。

今回はまず簡単なテストを通し、骨盤主導の運動連鎖が出来るかどうか判定します。もし出来なければ残念ながら正しい運動連鎖は100%出来ません。まず、図1のように肩は動かさず骨盤だけを回転出来るでしょうか?さらに図2のように肩を動かさず骨盤だけど左右に動かせるでしょうか?もし出来なければ残念ながらあなたのゴルフスイングには基礎的な問題があるといえます。

図2

ではどうしたら良いか?骨盤の動きを向上させる簡単なエクササイズをし、骨盤の動きを改善しましょう。私がお勧めするのはフラフープです。子供の頃やったことがある方が多いと思いますが、非常に良い骨盤運動になります。時計回りそして反時計回りとスムーズに行えるようになれば、あなたもプロのような運動連鎖に一歩近づきます。

野球経験者などがゴルフが上手なのは理由があります。なぜならこの運動連鎖は野球のバッティング、投球に非常に似ているからです。効率的な運動連鎖が身体に身についている人はゴルフの上達も早いのです。逆に言えば運動連鎖が非効率的だといつまでたっても上達しないということになってしまいます。

Pebble Beach #5

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