腰痛
今回はゴルファーの中で最も多い怪我、腰痛について話したいと思います。よく「腰が悪い」といった表現を耳にしますが、先天的な異常を抱えていない限り、本当に腰が悪い方はそう多くはないと思われます。むしろ、身体のシステム(ここでは関節や筋肉、身体の動作・連動を指す)が正常に働かない為に生じる無駄な力やスイング欠陥によって、繰り返し負担をかけられ、徐々に損耗した被害者といったほうがよいです。ここでは腰痛のタイプを簡単に紹介し、それをを引き起こす2大スイング欠陥を紹介したいと思います。
ゴルフにおいて起こる腰痛ですが、主に二つのタイプに分けれます。一つ目は、プレー終了後のみに起こる「腰が重いなぁ」といった慢性的タイプ、2つ目はギックリ腰のように突然痛みが起きる急性的なものです。また慢性的な腰痛が続くと、ある時突然ギックリ腰のように急性の腰痛を引き起こすことも少なくありません。いずれにせよコースで転倒、カートからの落下いった事故でない限り、ある日突然、急性的腰痛が起きるということはありません。普段の生活、また繰り返しのゴルフスイングの中、あなたのシステムが徐々に腰組織に負担をかけた為に必然的に生じる結果です。慢性的な腰痛はその警鐘と考えて良いでしょう。
起きてしまった腰痛の対処法ですが、ひどい時は痛み止め・消炎剤などを服用し、痛みが治まってきたら徐々に腰を動かしていくのが一般的だと思います。(腰痛のタイプによって詳細な対処法は変わってくるのでここでは詳しく書きません。)
どのようにして腰痛を防ぐかですが、まず原因を特定することです。ここではスイング欠陥の中で腰痛を引き起こすものを、2つ例を挙げて紹介したいと思います。一つ目はアドレス時の「Sポスチャー」です(図1)。腰はアドレス時にニュートラルに保つことが最良です。極端に背中を反られてアドレスをすると、背骨の関節の一つ一つがすり合わせた状態になり怪我を起こしやすくなります。さらに、背骨のスムーズ回転を妨げ、パフォーマンスの低下にもつながります。
二つ目は「Reverse Spine Angle」です(図2)。これはバックスイング時に極端に飛球方向線上に上体を倒してしまうことを指します。そして、多くの方がインパクト時にその反動で上体を反対側に倒してしまうのです。その結果、インパクト時に非常に大きな圧縮力が起きてしまい、腰を痛めてしまうのです。ですから、右打ちのゴルフファーに多いのが右腰の腰痛となってくるのです。
ゴルフスイング欠陥が腰痛を引き押している場合、プロに習いその問題を取り除くことがまず大切です。私の連載を読んでいる方は身体能力欠陥がいかにスイング欠陥を導くか、ということも認識しされていると思います。そうした身体能力欠陥を直していくことももちろん大切です。また一般常識ですが、普段全く身体を動かさない人が突然週末に数百球ボールを打つ、また準備体操もせずにドラーバーを振り回すといった行為は怪我の元になるので気をつけましょう。
繰り返しますが、私は本当に「腰が悪い」人はごくわずかだと考えます。身体のシステムの不具合によって常に負担を強いられている被害者なのです。ですから、まずなぜ腰にそこまで負担がかかっているのかを、われわれ専門家に見てもらい、原因を特定し、そして対処してくことが大切です。もしかしたら、単に姿勢が悪い、股関節・肩関節の可動域が狭い、お尻の筋肉が弱いといった比較的簡単に対処できる問題かもしれません。
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