首の痛み、寝違えのような症状に悩やんでいませんか?

アマチュアゴルファーの間で、常習的な首の痛みが訴えられる方が多いです。ゴルフプレイ中やその後、まるで寝違えたかのような首の痛みが起き、その痛みは約1週間の安静で和らぐと言った症状です。症状は一旦おさまものの、再びゴルフを始めると同じ症状が現れることが多いです。特に中上級者にこのような症状をうったえてクリニックにくる方が多いと感じています。

痛みの原因は寝違いと同じく軟部組織の損傷(筋違いなど)が起きているケースが大多数です。特に「斜角筋」と呼ばれる首と肋骨をつなぐ筋肉が影響していることが多く(図1)、この筋肉は頭部を側方へ傾ける、また、呼吸補助筋として機能しています。また斜角筋は首の回旋の制御などにも関わっていますのでゴルフスイング中に首や頭のコントロールに大切な役割を担う筋肉です。

図1:斜角筋

ゴルフスイングは肩を回すという動作が必要です。頭を動かさず目線をボールに向け肩を回すには、同時に、首の側屈、回旋が生まれます。この動作をスムーズに行う可動域とコントロールがないと斜角筋に多大な負担がかかっていきます。特に肋骨の動きが悪かたり、肋骨が挙上して(上方に移動して固まっている)首関節と肋骨が圧迫されていると斜角筋への負担が増大してしまいます。その結果筋違いなどの怪我に繋がりやすいです。

まず、図2のテストをしてみてください。スムーズに(首が)力まず動かせますか?

図2:首の回旋テスト、顎がしっかり肩のラインまで回りますか?

こうした単純動作が力まずスムーズに出来ないと、高速で回旋運動が行われるスイング中に相当な負担が首(斜角筋)にかかってしまいます。ヘッドスピードが遅いプレーヤーはそこまで回旋速度が速くないので負担も少ないでしょうが、中上級者である程度ヘッドースピードが出るとそれだけ首にかかる負担も大きいです。スイングスピードが早くとも効率的に動けていれば身体にかかる負担は少ないですが、動きが非効率的で速く振れてしまうとそれだけ首への負担が増えてしまいます。

対処法ですが首の可動域を得ることも当然大切なのですが、まず上部胸郭、上部肋骨の可動域をしっかり得ることが大切です。胸郭の可動域があること自然と首回りの動きも良くなります。ストレッチポールやラクロスボールなどで上部肋骨周りの筋肉を緩めてあげることで首に負担が軽減されるはずです(図3)。その上で胸郭のストレッチなどを行うと効果が出やすいです。

図3:上部肋骨のストレッチエクササイズ

首の可動域が出てくると軸がぶれづらく、自然な回旋運動の中でゴルフスイングが出来るようになり、ショットの安定性も向上するはずです。

Poipu Bay Golf Course