ゴルフは捻転スポーツ

各スポーツにはそのスポーツの特性上重要になってくる身体の能力があります。例えばバーレーボールはジャンプ力、サッカーは脚力、アームレスリングは腕力と言った感じです。ゴルフスイングに一番大切な能力は?と聞かれればそれは捻転力と答えます。ゴルフスイングは身体を捻り、パワー発揮し、その動きをコントロールする能力が求められます。

しかしながら身体を捻る能力が大切と言っても、全ての関節が捻れるわけではありません。人間の骨格の構造上、身体の中で捻転を大きく生み出せる場所は2つしかないのです。一つ目は股関節、2つ目は胸郭(胸の辺り)になります。この身体の部位が十分な捻転可動を持つことがゴルフスイングにとって大変重要になってきます。そこで今回は胸郭の捻転可動を向上させるための運動を紹介していきたいと思います。

図1:胸郭の捻転可動テスト

まず、あなたの胸郭の捻転可動をチェックしましょう。椅子に座ってもらい、左右の膝をピッタリと付けそろえます。この時に足にしっかりと体重を乗せ少し前傾になるぐらいにしてください。ゴルフクラブを肩に乗せ左右に肩を捻ります(図1)。膝と膝がずれないように気をつけ、無理なくどのぐらい捻れたでしょうか?例えばレッスン書などのアドバイスによくあるように、バックスイングで肩を90度回す為には少なくても45度以上回ることが大切になります。結構難しくないですか?

図2:肩甲骨ストレッチ

それでは胸郭の可動域を向上する為にストレッチを3つ紹介したいと思います。まず図2肩甲骨ストレッチ:四つん這いになり肩を胸の下を通しながら伸ばしていきます。深呼吸をしながら30秒ぐらいストレッチをしましょう。

図3体幹のストレッチ

図3体幹のストレッチ:横向きになり、上方の膝を反対の手で押さえます。胸を開けるように身体を開きましょう。この時に首は開く方向の手を見るようにすると首への負担が少なくなります。深呼吸を5回繰り返しましょう。

図4PRI テクニック

図4PRI テクニック:椅子に座ります。この時に坐骨と足にしっかり体重が乗るようにしてください。両膝を合わせ左膝を後ろに引き、右膝を前に出します。この状態をキープしながら肩を右側に捻ります。深呼吸を5回行います。

この3つのストレッチを左右繰り返しましょう。

よくレッスンなどでバックスイング時に肩を深く回す、肩を入れるといったアドバイスが言われます。もちろん深くバックスイングを取ることは良いことです。しかしこの肩を回す為には、十分な胸郭の捻転可動がないと出来ません。胸郭のストレッチをしっかり行い捻転力をつけることで肩がしっかりと回った良いスイングを手に入れられるはずです。髙田洋平