腰痛の原因：反り腰からくる椎間関節への圧迫
統計的にゴルファーが１番多く怪我をする箇所が腰です。ゴルフ中に腰を痛めたことがある方も多いのではないでしょうか？腰痛の原因は様々ですが、ゴルフ中に起きやすいのが腰椎椎間関節（図１）への圧迫による炎症です。ギックリ腰のように突然動けなくなるという症状ではありませんが、プレー後に腰が重くなったり、次の朝に腰が張ったり、じわじわと痛みが出てきたりといった症状が多いです。症状が進行すると椎間関節の疲労骨折、椎間板ヘルニア、腰椎がずれてしまう滑り症などの様な深刻な問題も引き起こすこともあります。
ではこの椎間関節への圧迫はどの様な要因が考えられるのでしょうか？腰の椎間関節は前に曲げる（屈曲）とスペースが開きます。逆に後ろに反る（伸展）とスペースが閉じます。閉じる時に関節への圧迫は自然と起きることですが、この圧迫が通常の可動域を超えていたり、急激なスピードや筋収縮と伴うと炎症や怪我を引き起こすのです。では椎間関節の圧迫の増大を引き起こすスイング欠陥はどの様なものか考えてみましょう。
特に関節への負担が多いスイング欠陥は①反り腰、②過度な側屈、③早期伸展、④逆Cフィニッシュです（図２）。
- 元々の姿勢で反り腰の方、そしてアドレス時にさらに腰を反らしてしまう方は要注意です。
- ダウンスイングで右肩が極端に下がり、腰を横に曲げた（側屈）状態になりすぎると右側の椎間関節への圧迫が増大します（右打ちにて）
- ダウンスイングからインパクトにかけて前傾姿勢が保てず、骨盤が前方へ動いてしまい立ち上がってしまうと椎間関節への負担が増大します。最近ではあまり見かけないですが、逆Cフィニッシュ(図３）は腰を大きく反った状態でフィニッシュをするので腰への負担が大きいです。ですので、近年のレッスンで勧められることはあまりありませんよね。
もちろんゴルフレッスンなどを取ってこうしたスイング欠陥を直していくことは大切です。同時に、あなたの姿勢や、筋力の不バランスといった普段から身体の使い方に気をつけ、椎間関節への圧迫を起こさない様な身体づくりや身体の使い方を身につけることも大変重要です。元々反り腰気味の姿勢の方は特に気をつけてくださいね。反り腰であるかどうかは以下のテストをしてもらえれば分かると思います。ここではその対策方法までは書けないので、もし反り腰かもしれないと思う方は専門家に相談することをお勧めします。
図３：反り腰のテスト：踵を壁に付け、膝を軽く曲げた状態で背中部分が壁に付けられますか？
高田洋平
