筋トレ

今年のニューヨークはすごい雪ですね。例年であれば12月から2月にかけて暖かい日にゴルフに出かけることが出来るのですが、今年は全くです。残念… こうした冬はトレーニングに時間を費やすか、室内で練習するしか無いですね。あと1−2ヶ月の辛抱です。

さて今回はトレーニングに関して「異議あり」の話です。ゴルフチャンネルのコメンテーターが、筋肉がつき過ぎたタイガーの身体に疑問を持ちかけていますが私も同じ疑問を感じていました。名前は伏せますがタイガーウッズのトレーナーはフィジカルセラピストでもあります。もちろんタイガーが選ぶだけの人なので有名な方であることは間違いないのですが、しかし実際のプログラムや「いいトレーニングができた」とコメントしたシーズン初めのタイガーの低迷ぶりを見るとそのトレーニング内容を疑わなければなりません。タイガーのトレーニングプログラムは、 筋トレ*、柔軟、コアエクササイズの無機的な連続のようです。これ自体に問題は無いと思いますが、問題は一つ一つが孤立してしまい、総合的なパフォーマンスの向上につながっていないというところにあります。たとえば一般社会で例えると、勉強では英語100点、数学100点、理科100点、そして国語100点だけど、ビジネスマンとして50点みたいな感じでしょうか? 筋力、柔軟性、コアと個々で磨き上げられ、一つ一つは相当高いレベルですが、それらが有機的に結びつかず、身体機能の向上またはゴルフに必要な能力 の向上につながっていないのです。

図1balanced

パフォーマンスの向上につながる良いトレーニングとは、常に身体機能が頂点として行わなければなりません。それは筋力、柔軟性、コアによって形成され、運動神経でバランスを保たれていると考えます。図にすると図1のようになります。タイガーのトレーニングは図2のように個々の能力を別々にトレーニングされ運動神経がバランスをとれなくなり、最終的に身体機能に崩れが生じているように思われます。タイガーのトレーナーまたはタイガー自身がこのことに気づいていない、または気づいているがどうして良いのかわからないように思われます。

図2inbalanced

特に筋トレに関しては以前から私は一般人に「無闇な筋トレは害である」という立場です。多くの場合 筋トレは身体のバランスを崩し怪我や総合的なパフォーマンスの低下になり、非健康的と考えられるからです。そうしたことをよく理解しながらトレーニングしているのが野球のイチロー選手です。彼が一般的な筋トレを行わないのは有名な話です。イチロー選手の機動力を重視した野球のスタイルには筋肉の肥大を目的としたトレーニングは必要ない、または害になるのでしょう。

勘違いして欲しくないのは、筋トレ全てが害であると言っている訳ではありません。スポーツの特性によっては筋トレが不可欠な場合もあるでしょう。例えばアメリカンフットボールのディフェンス選手などは身体が大きく筋力•パワーがあればあるほど利点がありますから、筋トレは必要です(ただしこの場合も決して健康的だとは思いません。)また、病後や手術後などのリハビリである一定の筋肉を集中的に鍛えるための筋トレが大切なこともあります。

図3leg press machine

しかし一般人、特にゴルファーを対象にした場合、ジムに行きウェイトマシーンで筋トレをする理由が見当たりません。また健康的であるとも思いません。具体的な話をしましょう。ジムに行き下半身の筋トレで必ず使用される「Leg Press」(図3)です。しかしこのマシーンで何キロを何回上げたということが、身体の機能向上に何の意味があるのでしょうか。こうしたマシーンを使い、身体の一部を固定し、一定の筋肉群だけをターゲットにした筋トレには必ず落とし穴があります。そんなことよりも「空気椅子」(図4)を何分耐えられる、踏み台昇降を何分できるといったほうがよっぽど実用的な身体機能向上につながると考えます。

図4空気椅子

習慣的な運動は確かに必要です。しかし繰り返しになりますが「健康のため」または「パフォーマンス向上のため」とジムに行き無闇に筋トレをするのは問題です。私のクリニックにも筋トレ中に身体を痛めた、またジムなどで行われるヨガなどのエクササイズ中に身体を痛めたといった患者さんが後を絶ちません。トレーニングを行う時には、目的は何か、自分の身体の何を鍛える必要があるのかを明確に定めてから行うことが大切だと思います。その場合専門家に身体を診断してもらってから行うことが大切になります。

*ここでは「筋トレ」=ウェイト器具を使い筋力肥大を目的としたトレーニング。

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Pebble Beach #7