ボールを統一する
ローリー・マキロイがオーストラリアオープンで見事な逆転勝利を収めました。タイトリストからナイキに契約を移し、しばらく低迷していたローリーですがようやく調子を取り戻してきたようにみえます。2012年にワールドランク#1を保持していた彼がこの契約変更が原因で調子を崩したのは誰の目からも明らかだと思います。もちろんゴルフクラブ変更もその一員でしょうが、私はボール変更が一番の原因だと考えています。ツアープレーヤーなどは毎年のようにゴルフクラブを変更することが少なくありませんが、彼らのクラブは事細かに調整され、極限まで個々に合う感覚のクラブをメーカーが作り上げています。しかしボールはそうはいきません。ドライバーの飛距離、アイアンの操作性、アプローチの感覚、全てを長年その感性を共にしてきているものです。ですからプロはボールを変更することを極端にいやがり、長年同じブランドのボールを使い続けることが多いわけです。
具来的な話をしましょう。 グリーン周りで同じようにアプローチをしたとしましょう。しかしボールによってその弾道の高低差、スピンの効き具合、初速の速さなど一つ一つ違いがあります。結果、A社のボールとB社のボールでは10ヤード以上の距離の差が出てしまうことがあります。頻繁にクラブを変える私ですが、ボールは基本的に同じブランドのものを長年使っています。ローリーはジュニア時代からタイトリストのPro V1xを使用していました。そしてナイキのボールにアジャストするのに一年かかったのではないかと私は考えています。
さて、皆さんはゴルフボールをどのように決めていますか?中には「拾ったボールでいつもやっているよ」という方もいるのではないでしょうか。あなたに少しでも上手くなりたいという気持ちがあるのであれば、ボールは統一するべきです。上述したようにボールによって弾道、スピンの効き方、飛距離が大きく変わってきます。ですから、もしあなたがラウンドごとにボールのブランドを変えているとしたらそれは各ラウンドごとにクラブを変えていることに等しいのです。その結果、同じように打っても毎回違ったようにボールが飛び、アプローチもバラツキます。あなたはそれをミスショットだ、または腕が悪いからと勘違いするかもしれません。そしてアプローチの感覚を磨けず、その時の運任せのアプローチになってしまうのです。当然そんな状況では上達が難しくなります。ですからボールを統一することは非常に大切なのです。
ではどのようにボールを選ぶか。ボール選びのコツは1、費用、2、パフォーマンスの2点だと思います。費用も大切な一面です。一年間統一したボールを使うということはある程度の費用もかかります。例えば週一でプレーするとして、上級者であれば年間3ダースぐらいあれば大丈夫でしょうか。例えばプロも多く使用するハイエンドのボールを使用しても150ドル程度です。しかし、1ラウンドで幾つもボールを無くしてしまう初心者であれば10ダースあっても足りないかもしれません。あまり高価なボールを使うのはもったいないですね。店頭で1ダース15ドル以下の廉価版はパフォーマンスが悪すぎるのでお勧めしませんが、20−30ドル前後のボールであればパフォーマンスが十分高いボールが多く出ています。ですから、まず自分が一年間でどのぐらいのボールが必要か、そしてどのぐらいの費用ならボールに費やせるかを計算し、そのプライスレンジのボールに絞り込みましょう。そこから自分に合ったパフォーマンスのボールを探すのです。最近は各メーカーが多くのブランドを出しているので迷ってしまいます。またメーカーが表示したボールのパフォーマンスを目安にするのも一つの方法ですが、一番大切なのはアプローチが自分の感覚で打てるボールです。アプローチを打った時、高さ、弾道、そしてスピン量が自分のイメージに合ったボールを選ぶことが大切です。よく、ソフトなフィーリングが良い、スピン量が多い方が良いと言う方もいますが、それもあなたの感覚次第です。ちなみに私はアプローチで柔らかすぎる感覚は嫌いで、「カッ」としたしっかりした感覚が好きです。ですので柔らかすぎるボールはあまり好きではありません。あなたも自分の好みのボールを探し、来シーズンはボールを一つに統一してプレーしてみてはどうでしょうか。