スイングの構え方
こんにちは初めまして。NY市立大学大学院で運動学習とバイオメカニクスを研究していた宮崎太輝と申します。今回、大学院で学んだ知識とタイガーウッズの元コーチであるハンク・ヘイニーのスイング理論をベースに、ゴルフスイングを考えてみたいと思います。まずはスイングの構え方です。
アスレチックポジション
ゴルフは長いクラブを振る競技なので、他のスポーツに比べて少し特殊な構え方をしているとお考えの方が結構いらっしゃると思います。しかし、本当はあらゆるスポーツに共通する構え方をしているのです。
野球の内野手、フットボールのラインバッカー、サッカーのゴールキーパーなど、上体を少し前傾させ、両腕を垂らし、中腰で拇指球(足の親指の付け根)に体重が乗ったような姿勢をとります。この姿勢は『アスレチックポジション』と呼ばれ、静止した状態からあらゆる急な動きに移行するときに作る姿勢です。*画像1参照*しかし、アスレチックポジションが適切に作れないと体は 急な動きに移行できなくなってしまいます。例えば、アスレチックポジションを作って体重をかかとに乗せてみましょう。するとつま先が浮いてしまい、バランスを取るのが困難になるので、急な動がとりづらくなってしまいます。ゴルフは静止した状態からボールを打つスポーツですが、より遠くにボールを飛ばすためにはクラブを早く振る必要があります。そのためには、ゴルフスイングをするためのバランスの取れたアスレチックポジションを作る必要があるのです。
アドレス時のポスチャー
それではゴルフスイングに適したアスレチックポジションを作ってみましょう。ゴルフスイングをするための姿勢を作るための手順は以下の通りになります。
まずは背筋を伸ばし、両足を開きます。そして、背筋を伸ばしたまま前傾します。前傾したら、その角度を維持したままヒザを軽く曲げます。普通はここで両腕を垂らして構えに入るのですが、もう少し手を加えてみましょう。画像2のように、胸にクラブを当て、シャフトを股の間に通します。シャフトが左足大腿の内側に当たるまで上体を傾けます。この形ができてからようやく両腕を肩からをだらんと垂らします。このとき、体の重心も体の前面に移るので、この重心を拇指球で支えましょう。上体を傾けてから腕をたらすと、左手が左大腿の内側にきます。その位置で左手からグリップし、その左手の位置を変えずに、右手を添えるようにグリップします。体重配分は右足と左足、それぞれ5:5にして構えの完成です。*画像3参照*
この構え方ができると、左手が左太ももの前にくるのでいつも同じ位置でクラブを握れるようになります。ボールの位置は位置は左耳の下、もしくは左足の内側からクラブヘッド一つ分になります。このボールの位置がニュートラルとしたら、この位置からボール一つ分ボールを前後に移動させるだけで高い弾道と低い弾道と打ち分けることができます。
背骨の傾き
背骨の傾きがあることによって、体はよりシンプルにスイングをするための軸を手に入れることができます。この傾いた背骨を軸にすることで、バックスイングからフォローまで体を回転することができるとスイングの無駄な動きを少なくすることができます。詳しくは次回の記事をでご説明させていただけたらと思います。
多くの方が構えの時点で力が入りすぎています。よりスムーズなスイングなスイングをするためにはある程度の脱力が必要です。上述した手順でアドレスを作り、スーッと息を吸い、ゆっくり息を吐きながら全身の力を抜いてみましょう。重心が低くなり、構えたときの筋肉の緊張が解けるはずです。気持ちの良いスイングをするためにはアドレスから準備ができます。是非ともこのアドレスを試してみてください。
宮崎太輝 Biography
日本での学生時代、テキサスのハンクヘイニーゴルフランチにて当時世界最先端のスイング理論を学び、渡米を決意。NY市立大学院でExercise Science & Rehabilitationを専攻し、より効率的に新しい身体の動きを習得するための運動学習の分野を研究。USGTF、他フィットネスインストラクターの資格を取得中。